#星野源ください

夢の中へ連れていく

口ずさむ

 

すぐ隣から鼻歌が聞こえてくる。しかもそれはMVがエロいと話題の俺の曲じゃないですか、彼女さん。

 

一月にして大寒波。外は真っ白で足を進める度に下の雪がサクサクいっている。とにかく寒い。

 

「さっむ!」

 

思わず口に出してしまうほど寒いようで、彼女が鼻歌をやめて突然言い放った。

 

夕日に照らされてオレンジ色に染まって吐き出される息が目の前で雪に変わりそうだ。

 

今の俺の曲だよね。

「ん?」

ん?って。Snow Men でしょ。

 

あー声に出てたのか、って結構な音量でしたわよ。無意識に俺の曲を口ずさむなんて可愛いことしてくれるじゃないのアナタ。

 

「源くんは振り返っても消えないよね。変顔して顔面主張してくるもんね」

ついでに僕らの愛も消えませんから。

「ばか」

 

そのばかが好きなんでしょうよばか。手なんか差し出しちゃって、今日は焦らさず素直に繋ごう。なんたって寒いから、俺のポケットに案内してあげる。

 

 

 

 

 

くさいセリフを俯き気味に言う彼の笑顔が、横顔が、とても眩しくて、光に包まれて聞かれていた鼻歌のその歌詞のように消えてしまいそうで。

さよならなんかしないように、今日は珍しく私から手を出して繋いで帰った。

 

「今日はゆっくりできるから帰ったらコタツに入って温かいもの食べようね」

 

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