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#星野源ください

夢の中へ連れていく

誘い文句

 

月曜深夜はホシノゲーン!

今日はオールナイトニッポンです。

 

メールボックスを開くと珍しく仕事以外のメッセージが入っていて、それがしかも気になる女の子から。

 

「寺ちゃんついに夢の外へ、だね!おめでとうって伝えて!」

 

普段は俺の忙しさへ気をつかってなのか、向こうから送ってくることは滅多にない彼女からの久しぶりのメール。・・・俺宛じゃないのか!

 

寺ちゃん、オールナイトニッポン放送作家の寺坂。心境によりメガネが曇るリアルチェリーボーイ。

その寺ちゃんがどうやら妄想のなかでデートをしていた憧れの女優さんとのツーショットをアップしたらしく、リスナーの間でおめでとうコールが起こっているようだ。

 

「夢の外へ」は俺の曲で、「チェリーをこじらせて妄想の中てデートできるようになった寺ちゃん」をモデルにして出来上がったもの。まだ聴いてない子はこれを機にCD買って聴いてみて。YouTubeにいけば俺のダンスも見られるMVもあるから、見たついでにチャンネル登録もよろしく♡

 

そんなことは置いといて、今は返事を考えなければいけない。友達なら「おう!ちゃんと伝えとくぜ!」くらいで済むのだが、気になる女の子への返信となると悩む。食事くらい誘いたいじゃない。

スマートに、自然に、「あんた立ったならついでにお茶取ってきてよ」くらいナチュラルに。自然とナチュラルは同じだろって? そんな野暮なツッコミよしてください。

 

「俺を夢の外へ連れてってよ」

なんつー返信だ、削除だ削除。鼻で笑われるわ。あぁ、もう、なやむなやむ。

 

 

 

 

・・・つい勢いに任せてメールを、しかも中身もそれほどないメールを送ってしまった。

友達、の彼に。今や世間の女子を賑わせる大人気な遠い彼に。

せっかく送るなら絵文字とか、気の利いた言葉を添えるんだった。そっけない女だと思われただろうか。

 

昨日の夜に送ったけれど、やっぱり忙しいのか返信もない。もともとダメ元だったけど寂しいものは寂しいし、どうしても通知を気にしてしまっていた。

 

遅いし、ラジオあるし、早めにお風呂にでも入ろうかな。

 

彼からの返事を諦め、立ち上がったその時、スマートフォンが震えだした。

表示されたのは「源くん」の文字。私は慌てて通話ボタンを押す。

 

はい! もしもし!

「あ! ごめんね急にかけちゃって!」

だいじょう、ぶ

「ふは、ビビりすぎじゃない? メールありがとう。そんで俺一日誘い文句考えたんだけどさ、思いつかなくて」

誘い文句? 源くんなんの話してるの?

「・・・今度一緒にご飯いかない?」

 

困惑している私をよそに、電話越しにクククと笑う声が聞こえた。

 

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