#星野源ください

夢の中へ連れていく

うたた寝

 

次々にと景色を置きざりにしながら、ガタンゴトンと電車が揺れる。

 

平日の昼間に乗る人は少なくて、彼女と俺と腰の曲がったおばあさんと、夜勤明けなのか爆睡しているスーツの兄ちゃんくらいだ。

 

肩に暖かさを覚えさせながら、俺の隣でカクンと小さな頭が揺れる。

 

今朝は早起きして一生懸命おめかししていた彼女が眠りにつこうとしている。久しぶりに出かけることに俺よりもはしゃぐ彼女が可愛くて朝から幸せです。休日ってすばらしい!

 

「あ、ごめん源くん、肩に」

いいからそのままもたれてなよ。眠たいんでしょ?

「乗り過ごしたら困る」

心配しなくても俺起きてるから。

 

いつもよりゆっくりとした声が心の中にじんわりと広がっていく。

人の少ない電車の中。たくさん空いている座席をよそに、体を寄せて、手を重ねて、くっついて。

 

「ちゃんと起こしてね」

 

肩お借りします、と丁寧に断りを入れてもたれかかってくる。くっ、かわいい。

俺も一緒に寝てしまわないかそんなに心配なのか。降り過ごして時間を無駄にするわけにはいかないんだよ。せっかくの二人きり、遠出デートですから。

 

少し経って肩の重みが増して、彼女が眠りに落ちたことがわかった。

 

あと何駅なんだろう。このまま電車に揺られているのもいいかもしれない。わざと降り過ごすのもいいかもしれない。

 

君を隣にして、いつまでも暖かさを感じていられるのなら。