#星野源ください

夢の中へ連れていく

よくできました

 

さっきから彼女が何か言いたげに俺の方ををチラチラ見てきて、目を合わせようと前を向くととパッと逸らされる。ご飯に集中出来ないじゃないか! 一体どうしたんだ。ご飯か、ご飯になにかあるのか。

 

親子丼美味しい。

「んえ? あっ、ありがとう」

 

違うのか。ご飯じゃないのか。

 

今日もバイトだったの?

「そうだよ。でも今日はそんなに忙しくなかった!」

そっかあ、お疲れさまです。お友達できた?

「できたできた。今度一緒にランチ行く」

それ、女の子だよね?

「当たり前じゃん。なに源さん、嫉妬する?」

 

するに決まってんだろ! って違う! いま聞きたいのはそういう話ではなく!

 

さっきからチラチラ俺の方見てたけど何か言いたいことあるんじゃないんですか。

「ある」

言いなさいよ。

「あのね」

 

 

 

 

 

前に受けた資格の試験、受かってた!

「ほんと!? 受からない受からないって唸ってたやつ?」

そうそれ! 受かってたの!

「おめでとう! 言っただろ、絶対大丈夫だって。よくできました」

 

よくできました。小さい子じゃないんだけど、言われると少し照れくさい。私よりもずっとずっと嬉しそうに笑う彼への好きが溢れそうだ。

 

「ね、受かった記念にご褒美あげる」

 

ご褒美をあげる、というかお礼をするべきなのは私の方だ。

勉強中嫌になって投げ出しかけた私をなだめて応援してくれたり、受かってない受かってないとうなだれているのを笑わせようとしてくれた彼にお礼をしなくちゃいけない。

 

ご褒美遠慮する。

「えぇ! なんで!」

だって助けてもらったの私のほうだし。

「・・・俺なんかしたっけ」

たくさんしてもらったから私が源さんにお礼するの!

 

じゃあ、と言って彼は箸を止めて口元を緩める。

 

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