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#星野源ください

夢の中へ連れていく

シャンプー

 

夜中、というよりは深夜。

このくらいの時間に仕事が終わって家に帰ると彼女はだいたい眠りについているのだが、今日は電気がついているのが部屋から見えた。

 

ただいまあ。

「おかえり源さん!」

 

玄関のドアを開けると彼女がスタンバイして飛び付いてきた。かわいいなオイ。どうしたオイ。

 

どうしたの、と言って抱き締め返す。彼女からシャンプー匂いがふわりと香る。

香る。

あれ? いつもと匂いが違う・・・?

 

「源さん帰ってくるの待ってたんだよ。最近会えてなかったから」

そうなの? 女の子があんまり遅くまで起きてちゃだめですわよ。

「嬉しくなかった?」

嬉しかったです。

 

そんなことよりもボクちゃん今はシャンプーの匂いが気になって仕方がないの。

付き合ってから今まで変わったことのなかったシャンプー。俺の家のシャンプーの匂いでもない。どこか別の所のものでも使ったのだろうか。

 

えっ、うわきてきな?

 

さすかに考えすぎだろう。そんなわけないだろ。シャンプーの匂い一つで浮気を疑うような重い男だったのか。俺は。

 

「源さん?」

 

玄関先でのハグを終えてから、荷物と上着を頼んで手洗いうがいをしに洗面台に立ったところ、シャンプー問題について一人ディスカッションしていたらそのまま鏡に向かって立ちっぱなしになっていたらしい。

 

「久しぶりに一緒に寝ようよ」

 

もちろんですとも。

でもその前に俺は聞かなくちゃいけない。答えはイエスだとわかっていても。

気になるものは気になるんだもん。

 

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