#星野源ください

夢の中へ連れていく

喧嘩

 

「源くんはいつもそう。傷つけないようにしてくれてるのかもしれないけど逆効果。なんで言ってくれないの」

 

彼女はそう言い残してどこかへ行った。夕日が照らす中、ドアを開けて出て行ってしまった。

 

おいおい待ってくれよ、今回のことは俺が悪いのか?

 

そんなことを追求している場合なんかではないし、きっと今回の喧嘩は今までのちょっとした不満が積もって爆発したことが原因だろう。

いくら好き同士といえども、一緒にいる時間が長くなればなるほど嫌なところも目についてきて、逆に良いなと思っていたところは当たり前のこととして見てしまうものだ。

 

落ち着かない。

 

俺にも非はあるけど、でもアイツにだって非はある。むしゃくしゃする。

こういう時すぐに追いかけて腕を掴んで「ごめんね」って抱きしめられればいいのに、今の俺にはその寛大さも勇気もない。

 

こんな時、たばこを吸うような男ならベランダに出て夕日を見つめながら一服したりするんだろうか。そんなことをしながら冷静に自分を見つめ直したりできたんだろうか。

 

最近は仕事もたくさん入ってて、なかなか彼女に構ってやれなかったのも原因だろう。だからこそ今日のオフは二人でゆっくりしたかったのに、なんでこんなことになっちゃったんでしょうねぇ。

 

俺は素直に思いを伝えられる機会もなくしてしまったのか。

 

何を一番に優先するべきなのか、どこまでをぶつけていいのか、アイツとの距離感がわからなくなってきている。

 

ああ、でも、抱きしめたい。俺のことで一喜一憂してくれるアイツが誰よりも愛しい。

夕日はすぐに沈んで、辺りは暗くなるだろう。危ない目に会う前に探し出して抱きしめよう。

 

「俺はおまえがいないとダメな体になっちゃったんだ」って、素直に言えるかしら。