#星野源ください

夢の中へ連れていく

一目惚れの片想い2-2

 

・・・いるじゃないか!!

 

完全に油断していた。レジに雑誌を持っていくまで全く気が付かなかった。

 

やっぱり噂は噂だったのだ と諦めて支払いをしようと前を向いたらいたのだ。彼女が。

 

「・・・星野くん?」

はえ!?

「え!? 星野くんだよね?」

 

ファーストコンタクトなのに変な声を出してしまった。俺の名前を知ってくれているなんて1ミリも思っていなかったんです。

 

俺の名前、っていうか俺のこと知ってるの?

「知ってるよ。講義よく一緒になるじゃない」

 

笑ってる。いつも見てるあの笑顔で。

 

「ほしのげん、でしょ?」

 

俺の名前が呼ばれる。いつも遠くで聞いているあの声で。

名字じゃない下の名前を呼ばれるって、やっぱときめくんですね。

 

「・・・ごめん、違った?」

違わない! 合ってます!

「ふふ、よかった。音楽好きなの?」

うん。

 

好きなんだ って、いつもならスッと口に出すはずの言葉も詰まってしまった。

彼女との初めての会話が弾んでいると思いたいが、向こうが会話を進めてくれていて俺がそれに答えているだけだ。

 

「ところで星野くんは私の名前知ってるの?」

知ってるよ。

 

彼女の名前を口にする時、声が震えてしまったのは言うまでもないだろう。