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#星野源ください

夢の中へ連れていく

甘える時間

 

作業に向かう俺の傍に彼女が寄ってきている。

ただ寄ってきているだけで 触れもせず話しかけもせず、視線さえこちらへは向けていない。

 

が、しかし、これは彼女なりの甘えたちゃんタイムの合図である。

「源さんお仕事忙しそう・・・でも今は構ってほしいの・・・♡」を暗に伝えてきているのだ。全国の恋人持ちの諸君、こういうことが分かってこそのパートナーだぞ♡

 

そんな彼女を甘やかしたいのは山々だが今すぐにという訳にはいかない。いいところまで作業が進んでいるのだ。

せっかくだから一気に終わらせてしまいたい。というより後回しにしてしまうとまた煮詰まってしまう。

 

ごめんな、ちょっと待ってな。

 

その言葉とともに、近くにあった彼女の頭をそっと撫でた。

 

 

 

 

 

今日はなかなか構ってくれないなあ と、ぼーっとテレビを見ていたら優しげな手が降りてきた。

 

ぽんぽん と頭を撫でてすぐに離れていったそれは、再びカタカタとキーボードを叩き始める。

まだかかるのかなあ。

 

彼の忙しさは落ち着くどころか増す一方で、私よりも彼の方が泣き言を言って甘えたいはずだ。

 

彼はいつも同じ言葉を繰り返す。

「好きなことをやっているだけ」

本当にそうなんだろう。作業に向かう横顔はいつも嬉々としている。

 

そんなことを考えながら じっと横顔を見ていると、ふと彼がこちらを見た。

 

しまった、思わず視線を逸らしてしまった。

 

「どうした? もしかして見惚れてた?」

 

少し微笑んで、彼が体ごと こちらを向く。

 

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