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#星野源ください

夢の中へ連れていく

同級生3


星野くんと話をするようになったのは、クラス替えをして席が近くなってから。
お互い違うクラスにいたときは顔すら知らなかった。

 

彼は授業を真面目に受けてるようにも見えるけど、先生の話を聞いているのか聞いていないのかよくわからない。
ノートもとってるけど、ところどころに落書きが見えたりするし、時にはなぜか五線譜が書かれていることもある。なにか楽器が弾けたりするのかな。

 

お昼ご飯の時間は教室にいるのを見たことがない。四時間目が終わるとすぐにお弁当を持って出ていく。


他のクラスにしか友達がいないのかな。クラス内で浮いているわけではないけど、普段喋るからといってお弁当を一緒に食べるかといえばそうでもない場合が多いもんなあ。

 

あと放課後もすぐいなくなる。部活には入ってないみたいで、バイトをしているらしい。何のバイトをしてるんだろう、今度聞いてみようかな。


聞いてみたいことがたくさんあるなあ。

 

そんなことを思っていると授業でペアワークをする機会があって、私はそれを利用して質問をどんどんぶつけた。
なんでそんなこと知ってるの って不思議そうな顔されないといいな。

 

 

「星野くんってお昼ご飯のときいっつもどこ行ってるの?」

 

それ聞いちゃうんですか。言えないよ、教室内ぼっち飯が嫌すぎて保健室の先生と仲がいいから一緒に食べてますなんて言えないよ!

 

「他のクラスの友達と食べたりしてるの?」
「あっ、あぁうん。そう他のクラスの友達と!」
「そうだったんだ! いっぱい友達いるんだね星野くん!」

 

いねぇよ! いなくはないけどいっぱいはいねぇよ!
上手く誤魔化せたからいいにしよう。俺にたくさんの友達はいません。

 

「ついでに聞くんだけどさ、バイトってどこでしてるの?」
「ふは、どこで聞いたのその情報。バイトっていうか近所のおばあちゃんがやってる駄菓子屋さんたまに手伝ってるだけだよ」
「駄菓子屋さんやってるの!? 今度行ってもいい?」
「いいよ」
「ていうか今日行ってもいい?」
「きょ、今日!? いい、よ」

 

バイト先に女の子が来るなんて、ウメさんに、駄菓子屋店主のおばあちゃんにからかわれそうだ。


「源の女かいね」なんて言われでもしたら俺はそこで爆発してしまうだろう。とにかく残りの一時間の授業、しっかり心構えをしなくちゃいけない。

 

あぁもう、ドキドキする。