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#星野源ください

夢の中へ連れていく

プレゼントで約束しよう

 

今日は午後から休みだ。久しぶりに買い物に出かけようと思う。一人で。

 

彼女は仕事である。そもそも不定期で午後が休みになるような職はほぼないだろう。

だから俺にとってはとても都合のいい日だ。

 

今日は彼女の誕生日。一年が経つのはあっという間だ。

 

午後から休みと聞いていた俺は、今日までプレゼントを買わなかった。急な仕事が入らなくて本当によかった。

 

去年の誕生日は間に合わなかったのだ。

 

その日、買う物は決まっていたものの 帰りでいいか と朝のうちに買っておかなかったのが仇となった。仕事終わりに時計を見ると、営業時間はとっくに終わっていた。

ケーキはマネージャーさんに頼んでおいたので、結局それだけ持って帰ってプレゼントは次の日に渡した。

 

今回はそうはさせない。

 

ケーキだって自分で買って帰るし、プレゼントも間に合わせる。

ただ一つ不安なのは何を買うか決まっていないということだ。彼女の欲しいものがわからない。

 

あまり何かが欲しいとねだられたことがない。ご飯を奢る時に食べたいものを聞くことはあるが、アクセサリーやバッグなど そういった類のものを「買って♡」なんて言われたことがない。

 

困った。事前にリサーチしておくべきだった。

共通の友達はいない。相手の親御さんに聞けるはずもない。

 

・・・自分の両親に聞く?

いや! 今回は一人でできるもんチャレンジをするのだ! 誰かに頼ることなく、俺一人で!

 

自問自答を繰り返していると、いいアイデアが浮かんできた。そうだな、そろそろお互い いい歳だ。

 

 

 

「ただいま」

「おかえり。誕生日おめでとう」

「ふふ、ありがとう」

 

彼女が仕事から帰ってきた。

年度始めでなかなか忙しい時期。少し遅くなることも心配したが、定時で終われたらしく安心した。

 

「誕生日なんだから帰りなさいって先輩が声かけてくれてさ」

「あ、そうだったんだ。よかった」

「なんか準備してくれてるの?」

 

ふはは、驚くなよ。

 

「まあまあ、着替えておいでよ」

 

すでに嬉しそうな彼女の顔に、俺まで頬が緩んでくる。

 

今日は頑張ったのだ。

午後、オフなのを最大限に活用し、近所のスーパーに多少の力を借りたものの料理には力を入れたし、ケーキは彼女の好きなものにした。

お酒も、少し高いものを買った。俺は味もよくわからないので店員さんに選んでもらった。彼女がよく飲んでいるものを覚えていてよかった。

 

だが、本番はここからだ。

誕生日プレゼントには指輪を買った。

 

目の前の料理に目を輝かせ、「これ源さんが作ったの!?」なんて驚いている場合じゃないんだぜ、お嬢ちゃん。

 

あなたがケーキを食べ終わったら いよいよ俺の緊張はマックスで、片膝をついて、それから顔を上げて目を見て言うのです。

 

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