#星野源ください

夢の中へ連れていく

ササイ

 

ゴミ箱にゴミが入らない。

 

最終的には自分で入れに行くことになる。投げても投げてもゴミ箱に弾き飛ばされたり 見当違いの方へ飛んでいったりして全く入らない。

 

よくわからないプライドが働く。飛んでいったゴミを取りに行って 同じ場所に戻って投げる。また入らない。

 

 

 

先日 彼女と喧嘩をした。些細なことだった。

テレビを見ている時に話しかけられた。どうしても曲作りが上手くいかなくてイライラしていた。嫌な言い方で、それも言わなくていいことを言った。

 

それから彼女が口を聞いてくれない。

 

自分の発言に気付いてバッと振り返って彼女の顔を見た。冷や汗が出た。その時の俺はただの最低な奴だった。近寄ったところで跳ね返された。彼女が部屋から出る。もう一度行ったが、目の前で寝室のドアを閉められた。近付けなかった。

 

よくわからないプライドが働く。俺もリビングのドアを閉めた。壁が二枚も出来てしまった。

 

何をしているんだ俺は。

 

 

 

喧嘩はまだ続いている。家にも来てくれていない。

晩ごはん代わりに食べた菓子パンの袋を小さく括ってゴミ箱に投げた。壁に当たって失敗したか、と ため息をついたが見事シュート成功。思わず吐いた息を吸い込んだ。

ため息をつくと幸せが逃げるって言うじゃない。

 

謝ろう。今なら話を聞いてくれる気がする。

 

スウェットをジーンズに履き替えて、家の扉を開ける。真夜中、迷惑を承知で家まで行こう。

遠くからより、自分から行く方が早い時だってあるのだ。

 

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